合成ダイヤモンドについて
1954年に米国のGE社が世界で初めて、合成ダイヤモンドの製造に成功しました。
GE社は1970年には1ctupの宝石品質の合成ダイヤモンドの製造に成功しましたが、その頃はまだ、合成ダイヤモンドの製造コストがかかりすぎ、
販売するためには価格が見合うものではありませんでした。
その後、製造技術が進み、他の各社でも宝石品質の合成ダイヤモンドが安価で製造されるようになりました。
デビアスは2018年から一般の消費者向けにライトボックスというブランド名で合成ダイヤモンドの販売をはじめました。
2020年現在、合成ダイヤモンドは中国・インド・ロシア・シンガポール・米国・英国で製造されています。
合成ダイヤモンドの化学組成・結晶構造は天然のダイヤモンドとまったく同じです。
天然のダイヤモンドとの違いは、天然のダイヤモンドが地球の奥深くで10~30億年もかけて形成されるのに対して、合成ダイヤモンドは工場でわずか
2~3週間でつくられているということのみです。
2020年現在、1ctの合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドの約1/10の価格で取引されています。
今後は製造コストが下がり、価格も下落すると予想されています。
また工業製品である合成ダイヤモンドには再販価値(リセールバリュー)はありません。
天然ダイヤモンドは火山の噴火によって地表に運ばれ、その一部は河川や海に流されますが、その採掘は非常に大がかりで困難な作業です。
天然ダイヤモンドの価値は希少性とロマンにあると言えるのです。
2018年5月のハリス世論調査では、アメリカの消費者の68%が工場で作られた合成ダイヤモンドは「本物のダイヤモンド」ではないと考えていること
が示されました。
合成ダイヤモンドをファスト・ファッション・ジュエリーとしてとらえる
消費者の割合は増えているものの、人生の大切な節目を祝うものとして選択する人はほとんどいないのが現状です。
鑑別機関で発見される合成ダイヤモンドはここ2~3年で急激に増えています。
デビアスでは0.2ct以上の合成ダイヤモンドにはテーブルの下の消せない
場所にブランドのロゴであるライトボックスの刻印を入れる等の対策が取られています。
他メーカーではガードルに合成であることを示す刻印が打たれているものもあります。
ルーペでそれらが確認されれば、合成ダイヤモンドの証拠となります。
0.2ct以上のダイヤモンドを購入される場合は信頼のおける鑑別機関の
鑑定書付きのものをおすすめ致します。
0.2ct未満のメレダイヤモンドについても中国等で合成ダイヤモンドがたくさん製造されており、ジュエリーに製品化され、市場に紛れ込んでいる
可能性があります。